金曜日, 12月 05, 2008

現代アート作品に泊まる!妻有「光の館」by正色

瀬戸内の直島の芸術作品見てみたいですねえ。でもこちとらは、取り上げられてた「ジェームズタレル」の作品に、泊まったことがあるのだ!
泊まったことがある? 不思議でしょう?
実は、家そのものが作品なのです。その家に、泊まることができるのです。
「天井が開いて、部屋に居ながら空が見える、貸別荘」とかなんとかの噂にB級スポットの匂いを嗅ぎ付け、のこのこ出かけてみたら、これが芸術家の作品だった!
その名も、ジュームズタレルの「光の館」。光の強弱の微妙な差を利用した、体感型の施設(?と、理解した)が売りだから、この「館」も、まだ陽がある夕方から暗くなるまでの約1時間が“作品”。泊まるのは、付録みたいなものかもしれない。
館の外観は、少しモダンな和風(写真1)。その2階の一番広い、いわば座敷の間に夕方になるとほぼ強制的に、その日泊まることが許された人々が集められる。銘々、寝っ転がるなりひざを抱えるなり、好きな体勢で待つと、屋根が静かにスライドして天井(2番目の写真)に空いた約1m四方の穴から、空が見えるようになる(3番目)。
その時刻はまだ空はかなり明るく、部屋の照明を目一杯明るくしていても、空を流れる雲の白さに馴れた目では天井は暗く見える。でも、少しずつ空が暗くなると、天井の暗さとの差がなくなり、四角い窓が空と一体化し始める。もっと空が暗くなると、その暗さに合わせるように自動的に部屋の照明が落とされる。天井の穴の輪郭は、とても微妙だ(4番目)。天井と空の境が、有るようで無い。空は自然だから鳥が横切ることもあるが、それを切取る四角い穴が額ということか?
気が付くと、空も部屋の中も、暗い。





薫丸さんも「やられたあ」と言ってますが、分かる気がする。終わってみると、すっかり引き込まれている。B級スポットのようでもあり、へたな高級旅館より高尚でもあり。
ま、逸品だと思うよ。
光の館:新潟県十日町市、00年に開催された「越後妻有アートトリエンナーレ」で制作された作品。1階には、光の芸術浴室でお風呂を楽しめる。

発掘度:★ 結構知られてないかもしれないけど、とりあえず★1つで。
商品力:♥♥

0 コメント: